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Text in Japanese

*以下の記事は、朝日新聞社の許諾を得て転載しています。朝日新聞社に無断で転載することは禁止されています。


「代替施設が前提」シーファー大使 米軍再編に言及
朝日新聞 2006年 6月 9日付朝刊 1面

 シーファー駐日米大使は8日、朝日新聞社の招きで大阪市内で講演し、在日米軍の再編問題について 「海兵隊を沖縄から出すのは、グアムに新しい代替施設ができてから」などと述べ、在沖縄海兵隊の グアム移転や普天間飛行場の移設などを実現させるためには、日本の協力に基づく代替施設の完成が 前提になっていることを改めて強調した。

=32面に講演要旨

 大使は「準備ができないうちに動いてしまうと(安全保障上)危険すぎる」と指摘。日本政府が合意した代替施設が、早期に着工されるよう期待感を示した。

 海兵隊の移転費用をめぐる日米交渉については「日本に費用を払わせるためのたくらみだという記事がたくさん出ている。(しかし、米国にすれば)沖縄の方々が人数を減らしてくれ、でも(軍事)能力は減らさないでくれとおっしゃったから、それに従った」として、日本の要請を受けた結果だと主張。「米国も多くの費用を支払うことを忘れてほしくない」として、理解を求めた。

 大使は米政府の対中政策にも触れ、経済関係のさらなる強化を目指す一方、「軍事費の増大が何に向けられているのか気になる」とも述べて中国への警戒感も示した。

 米政府が地球温暖化防止を目指す「京都議定書」を支持しないなど、環境問題に消極的な姿勢をみせていることには「議定書は途上国が加わっていないのが問題だ。決して無関心なわけではなく、グローバルな環境問題へのアプローチで解決しようとしている」と話した。


シーファー大使講演(要旨)
朝日新聞 2006年 6月 9日付朝刊 32面

 シーファー駐日米大使の大阪市での講演要旨と主な質疑は以下の通り。

=1面参照

講演

 先週、日本政府は在日米軍再編の最終合意に関する閣議決定をした。重要な安全保障に関する合意だ。

 在日米軍の存在は日米双方にとって安全保障の要となってきた。だから、米国がアジアで(安全保障上の)役割をもう演じたくないとの理由で、軍を引き揚げるというような印象は決して与えたくないと考えた。

 日米交渉では、アジアにおける米軍の抑止力を維持しながら、人数を減らす目標が達成されたと考えている。沖縄県民は日米両政府に対して在沖縄海兵隊の数を減らし、米軍施設の返還をさらに進めてほしいといった。米国はこれを聞き入れた。合意は沖縄に対して72年の沖縄返還以来の大きなプラスになる。

 海兵隊のグアム移転で1万7千人の米国人が沖縄を離れる。かなり大きな数なので沖縄の方は、実際にいなくなった時に、肌でそれを感じられると思う。この交渉にいたるまでに基地周辺の都市化が問題になっていた。そして市民に対して危険があるという話も聞かされた。米軍施設は都市の中心から離れたところに整備、統合され、事故、騒音、過密とかいったことが緩和される。

 普天間(飛行場)も返還されるが、これは代替の飛行場ができたら、(実行に移される)ということになっている。日米両政府はこれが実施されなければ何の変化ももたらさないということを強く認識している。海兵隊を沖縄から出すのは、グアムに新しい代替施設ができてからだ。

 もし準備ができないうちに動いてしまうと、危険すぎると考えているからだ。北アジア、東アジアは危険になりうる。日本やアジアの平和と安定は、日米同盟に長い間依存してきた。何らかの理由でたもとを分かつとことになれば、日米双方の安全保障はより大きな危険にさらされる。

 日本では、米国はこうした移転を初めからやるつもりで、日米交渉は日本に費用を払わせるためのたくらみだとする記事が出ている。海兵隊は沖縄を離れるが、沖縄が嫌いなわけではない。沖縄の方々が人数を減らしてくれ、でも能力は減らさないでくれとおっしゃったから、それに従った。日本に甚大なコストがかかると報道されているが、米国も多くの費用を支払うことを忘れてほしくない。

質疑

 (対中政策について)
 中国とは経済的関係の発展を願っている。ただ、軍事費増大が何に向けられているのかが気になる。

 (東アジア共同体構想について)
 そのような機構が米国を排除しようという意図を持っていたとするならば、受け入れがたい。

 (地球温暖化問題について)
 環境問題に関して、ブッシュ政権はうまく説明できていない。単に京都議定書だけで回答が出ると思っていない。グローバルな環境問題へのアプローチで解決しようとしている。


Blue Line